You are a child of God.

 

 いつもの時間に目が覚めて、いつもの時間に一人で起きる。当然であり、正しい日常。

 こちらで隣に見知った顔があれば、それはそれでとても素晴らしいことだと彼女は思う。しかし、そんなことはありえない。ありえないからこそ、それがとても愛しく感じられる。

 あのときは違っていた。目を覚ましてまだ彼が寝ていれば、必死になり、宥め賺して退場願った。タイムリミットが迫れば迫るほど、彼はますます余裕の表情を見せ、そして彼女はますます追い詰められていくのだ。そして大概は、彼が今度来るときには好きにしていい、ということになってしまい、上機嫌で彼は寝室から消え、それから彼女は朝の爽やかな気持ちを徹底的に破壊されながら朝の支度をする。そしてそれに味を占めた彼と、幾日も同じようなやり取りをするようになった。見事なまでの悪循環。冷静に考えればそんなことをしなくても、彼は自然と出て行くだろうに、自分から頼み込んだりするからそんなことになったのだ。

 顔を洗い、髪に櫛を入れ、服を着替える。

 着替えのときをまるで見計らっているかのように入り込んでくる傍若無人な者はいない。脱いでいるのか着ているのかの中途半端な彼女の状態を好ましそうに見て、服だけではなく体や心まで乱そうとするひとなどいない。こちらでそんな者がいるとすれば、それは犯罪者となり、自分が怒るだけではすまされないことになる。警察を呼び、犯罪者を捕まえてもらわねばならない。尤も、心配してくれる人は、こちらの世界にいるかどうかは不明だが。

 冷蔵庫の中で幾つか適当に見繕うと、それで朝食を作る。

 手先に迷いなどなく、邪魔をしたり話しかけたりする者などいない。そして当然これは自分のためだけの食事だから、その出来上がりを待つ人も、喜んで食べる人もいない。感想なんて、誰が言ってくれるのだろう。

 彼の妹、自分の親友が、案外食いしん坊だと知ったのはいつだったか。食事に無頓着で、一日二食を摂取しているのかどうかすら分からない彼とは違い、親友は美食家で、その上結構な量を食べた。彼女が料理を作れると知ると、目を輝かせて頼んできたものだ。それに彼女は快く承知したものの、彼女の身分は女王である。厨房を貸してほしいと頼んだだけで、城内は混乱状態に陥り、立て続けに説得者が現れた。

 意外にも古参の部下がその最たるもので、女王という身分の高いものがそんなような下々の場に入るべきではなく、またそのようなことをするべきではないと何度となく言ってきた。それでも、結局は親友の脅しが効いたのか、久々に何種類かの菓子を作ると、なかなかにそれは好評だった。慎ましやかと思っていたエルフの女王も――餌のいらない猫を飼っているというのが魔族の女性武将たちの評価だったが――、甘いものは得意ではないと言っていた氷の魔女も、その茶会にいた女性武将は全員きれいに彼女の手料理を平らげ、以後は何度か彼女の手料理の催促があったものだ。

 あいにく、男性武将とはあまり会話がないが、それでも幾つか思い出はある。ムロマチ方面の料理とこちらの料理は似ていると言うと、極東の殿様は相変わらずの本気か嘘か分からないような調子で手料理を食ってみたいと彼女をムロマチに誘い、それを聞いた地獄耳の兄妹は凄まじい剣幕でかの飛竜を睨んでいた。彼は食べ物にはあまり関心がなく、それは辛くないのかと心配すると、それよりも自分にとってはお前とのことのほうがもっとずっといいと襲われたこともしばしばある。闘神はルーツとやらを用いて地上に存在するあらゆるものを食べることができると聞き、その逸話の一つを親友に聞かせてもらったときはあまりの内容に何日か食欲不振が続いたものだ。

 そんなことを一つ一つ思い出しながら、彼女は朝食を作り終わると、思い出を懐かしく頭の中で再現しながら箸を進める。そこにあるはずの味覚など、あってないようなものだ。むしろろ、思い出をスパイスに食していると言ってもいい。

 朝食を食べ終わると、歯を磨き、出て行く時間になるまで本を読む。

 あちらでは、そんな余裕のある時間など、あってないようなものだと言ってもよかった。野戦以外のときはいつも事務作業に追われていたし、たまに取れる休憩には、必ず誰かが訪ねてきて、一緒にお茶や軽食を楽しんだ。とは言ってもほんの隙間のような時間だが、それでも楽しかったし、気分転換には十分になった。仕事は夜まで続き、夕食を取ると入浴、それから就寝する。軍事に関することになると、目まぐるしさは増してお茶などと洒落込む暇もなくなる。場合によれば、一日じゅう、彼以外のひとと喋っていない日も数え切れないほどあった。

 そんな忙しく、けれど充実した日々に慣れていたせいで、一時間弱の時間は妙に長く感じられた。しかし、そんなことを思っても、誰も苦笑しながら同意してくれる人はここにはいないし、誰も聞きはしない。時間になると、読んでいたものの頭に入ってはいない小説を鞄に入れ、玄関に向かい出かける。

 向かう先は学校ではなく、病院だった。学校にはこちらに戻って以来、毎日行っている。今日は休みというわけだ。

 彼女が鬱々とした気分になっていた苛めなど、あの世界の出来事を体験した彼女には蚊に刺されるようなもので、相手は大きな障害にも敵にもなりえないほど脆弱な存在に見えた。否、脆弱と言うよりも憐れなのだ。個体としての力を持たず、集団となって一人のものを追い詰めて自らの地位を優位にしたがる人間を、憐れと言わず何と言おう。社会的にも、何より自分で自分が満たされていないと感じ取ったからこそのその行いは、あまりに不器用すぎる。

 しかし、だからと言ってそれを気づかせてあげようとは思わない。他人から受ける説教よりも、自分で気づくほうが心に響くからだ。それに気づかなければ、それまでの人だということだし、その不幸に本人が気づかないのならばそれはそれで憐れだが、そのとき彼女は他人に構える状況なのだろうかということが問題になる。

「…案外ドライになっちゃったのね、わたし」

 誰にも気づかれずそう呟くと、彼女は行きかう近所の人たちに挨拶をしながら歩き出す。地元の病院なので、電車を使う必要はない。

 異界の文化については、自分の言い方のせいもあるだろうが、彼らは批判的だった。便利すぎる、というのが大体の理由だったような気がする。その一言で一蹴されてしまうのはどうかとは思うが、事実、便利すぎるのはむしろ不便だ。環境に準じることに慣れている彼らには、この世界の快楽と便利性の追求は、狂っているように見えるのかもしれない。

 ――だったらわたしも狂ってるんじゃないのかしら。

 そんなことを彼らの前で言うと、彼らはそれに、少し考えるような体勢になってから頷いた。おまえは狂ってるんじゃなくて、狂ってたんだと。けど、むこうの世界に帰れば、おまえはその世界にとって狂った人間かもしれない、と。

 一様に皆そういう答えが返ってきたとき、さすがに彼女は目を丸くした。あの世界の人々は、それぞれの考えや主張は水と油の人も多いというのに、他の世界への目は同じとは思わなかったのだ。

 地元とは言えど徒歩で二十分はかかるので、自転車を使えばいいのに使わないのは、やはり自分はこの世界では少し狂っているということか。それにほんの少し嬉しく思いながら、彼女は黙々と歩き出す。

 排気ガスと仄かに漂う朝露の香りを軽く吸い込むと、彼女は小さく咳をする。それでもこの煙たさを懐かしく思うのは、あの世界にも石油があり、それを使って生活する国を知ったからだ。しかし、あちらは毒水と呼ばれ、大抵の国では倦厭されていたという点では面白い。

 まるで段階を踏むように、彼女は引き出される思い出を取り出し、じっくりと眺めて一つ一つを楽しむ。それは骨董品を楽しむことのようにも感じられるが、頭の中にあるアルバムを引き出すというほうが正しい。だがそのアルバムに張られているはずの写真は一定のものを写さず、しかしビデオほど正確ではない。記憶とは、そんなものだ。

 不意に、虚しさが彼女の胸に影を宿す。それは長い夢ではないのかと、それは幻ではないのかと、それは自分の頭の中だけで起こった出来事ではないのかと。その囁きは、今に始まったことではない。

 それはこちらで目が覚めたときから呼びかけてきた。今まで見たものは全て幻ではないのかと。そんなことはない、自分が消えた日にちと、今日の差があると思い直しても、もしかして昨日の出来事だったのかもしれないとまた呼びかけてくる。そのことのほうが恐ろしくて、学校に着いても苛めなぞどうでもよくなったというのがあるが、それはこの際の問題ではない。

 そして彼女は証拠を必死で求めるが、そんなものなど当然ありはしない。証拠など、残ったものなら大変だ。もし銀髪になっていたら、もし青い瞳になっていたら、もし魔法が使え、もし人の心が読め、もし全ての知識を手に入れてしまえば、それは大なり小なり、彼女の周囲に影響を与えることになる。しかし、当然それらの出来事などはなかった。複雑なことに、彼が丹念に育て上げたと自慢していた柔らかな体つきも、召喚される前の状態に戻っていた。

 けれど、今の彼女の心は穏やかだった。決定的な切り札が、彼女の手元に残っているからだ。それは社会的に見れば確実に凶と出るものだが、彼女からすれば吉以外の何ものでもない。社会的な地位を得ることに対し大きな障害となるのは少し残念ではあるが、この切り札を捨てても構わないほど残念とは思わない。

 彼女は病院に到着すると、受け付けで診察券を差し出す。それを見て、受け付けの看護婦は彼女と診察券を見比べ、それから穏やかな声で斉藤さんですね、と呟いた。それに彼女は答えると、呼ばれるまでお待ちくださいとお決まりの案内を返される。

 彼女は大人しく待合室の一席に座ると、子どもを抱えた女性が彼女より前にここにいたらしいことを知る。女性と言っても子どもの祖母らしく、彼女を好奇心と若者を卑しむような目で見ている。彼女はそれに気づかないふりをしながら再び小説を取り出して読み始めると、女性はますます好奇心を浮かべながら、しかし相手に悟らせないように膝の上の子どもをあやす。

 カムフラージュに使われる子どもは寝ていたのか、起こされたことに不満そうな呻き声を挙げて祖母を見上げるが、その祖母は孫の表情を見ていないため、ぐずついていると思って更に派手な動きであやす。

 子どもの声がますます不機嫌そうに大きくなってきたところで、診察室のドアが開いて子どもの母親らしい女性が現れた。女性もまだ年若い彼女が産婦人科などにいることに少し驚いたようだったが、母親ほど品のないことは想像しなかったらしい。それよりも不機嫌が露わになっている自分の息子を母から受け取ると、甲高い声を出して息子を宥め始めた。

 その声を聞き、薄く笑む彼女に対し、受け付けからの声が飛ぶ。

「斉藤さーん。どうぞー」

「はい」

 診察室に入ると、そこにはしかめっ面をした女医がいた。とは言っても、その医師も先ほどの女性のように、彼女の年齢であるというのに性の奔放さを持ち、過ちを犯したのかもしれないということを嫌がっているのではない。ただ、純粋に彼女を心配しての表情だった。

 彼女はその気持ちが理解できるので、会釈すると医師の前の椅子に座る。医師は少し目線を彷徨わせながら、ため息を吐くように口を開いた。

「・・・・・スケジュールの、組み立て?が聞きたかったのよね、あなた」

「はい」

 彼女は逆にまっすぐに医師を見つめ、揺るぎのない返事をする。その態度に、医師は軽く眉間に皺を寄せながら、また不意に口を開いて、しかし慎重に言葉を選ぶ。

「それで・・・・その、ご両親にはちゃんと言ったの?前にも言ったわよね、妊娠と結婚は相手のお家との共同作業になるって。あなた、まだ高校生でしょう。相手の方は連絡がつかないとなると、もう・・・・」

 口ごもる医師の態度に対し、彼女の視線も背筋も変わりはしない。それはまるで彫刻のようと言うよりも、絵画にあるような少女のようだった。不思議そうな顔で、相手の心の奥までも見透かすかのような視線を投げかける。

 その視線にたじろぐように、もしくは観念するかのように、医師は彼女をそっと見返した。

「それでも、産みたいの?」

「はい」

 明確な答えに、医師はため息で降参の意を示すしかない。その明らかな脱力の様子に、彼女は少し辛いことをさせているかもしれないと感じ、軽く頭を下げる。

「・・・・すみません」

「いいのよ、おめでたいことなんだから…。まあ、小学生ぐらいの頃から診てきたけど、あなたがそんな無謀なことするなんて思わなかったけど…」

「無謀かもしれないけど、産みたいんです。この子ぐらいしか、証拠がないから」

 その言葉の意味を、相手の男性とのつながり、と捉えたのだろう。消極的で大人しかった少女が、いつの間にか落ち着いた、実は情熱的な芯の強い女性になっていたことに、医師は感嘆の小さな吐息をつく。

 しかし、本当は違う。確かに彼とのつながりの証拠を欲してはいるが、それ以上に、あの世界とのつながりが自分の胎内にあるということが、何よりも彼女にとって大切な記憶のあらゆる証拠となるのだ。その命を捨ててしまうなんてことは、自分からあの世界は夢だと切り捨てることと同じ。そんな惨いことを彼女はするつもりはないし、かといって、思い出の証拠を持ったまま、人生を狂わせてしまうつもりもなかった。

 頑なな彼女の表情に何かを感じ取ったのか、医師は厳しい口調に一転する。

「けど、証拠と扱うのはやめなさい。生まれてくる子を証拠として扱うなんて、いいお母さんになれないわ」

 その言葉に彼女は改めて気づいたように顔を上げる。その表情の揺らぎに、ここで初めて医師はまっすぐに彼女を見返した。

「産みたいっていう姿勢はいいけど、そんなふうにもの扱いするのはプレッシャーになるの。赤ちゃんにもあなたにもね。自分の体の中にいるんだから、自然と愛してあげなきゃだめ。もちろん、体の外に出たあとでも」

「はい…」

 彼女の深刻な表情での頷きに満足したのか、医師はパンフレットを何冊か束ねたものを彼女に渡す。そこには、妊娠についてのことが書かれているらしく、分かりやすいイラストが載っていた。

「健診は四週間に一度で来てくれればいいわ。もうすぐしたらつわりがピークだろうから、無理はしない。基本的に食事は気分が悪くなったら無理しなくていいけど、ゆっくりこまめに食べて。お薬とコーヒーは厳禁。当然、お酒と煙草もね。検査はこの前にやって、その結果だけど、特に問題はなし。今のところだけだから、ちょっと何かあったらすぐ連絡すること。わかった?」

「はい」

 はっきりと頷く彼女に満足すると、医師はあともう一つ、と付け足す。

「親御さんにはちゃんと言いなさい。世間の目が少し厳しくなることは分かるけど、多分、あなたが考えてるほど過剰にはならないわ。自分の子どものことなんだから、ちゃんと守ってくれるはず」

「・・・・・・それでも、あの人たちが強引に中絶するように言った場合は」

「それは、父親のほうが分からないし、紹介できないから?」

 彼女は深刻な表情で頷く。その反応に、どうしたものかと医師は頬に手を当てる。

「だから証拠なんて言い方したの…そうねえ。騒ぎ立てればさすがにご両親も諦めざるおえないでしょうし、未成年の中絶はかなり体に負担がかかるし…それに、力ずくでって言うんなら、警察とか施設に逃げ込むのもありだと思うけど…」

「そうですか…」

 漠然としたアドバイスではあるが、彼女は深々と礼をする。それを軽く受け流し、医師は立ち上がった。

「今から身長と体重、あとむくんでないか調べる準備するから、ちょっと待ってね」

「はい」

 彼女は俯いた体勢のままで、そのまま少し遠ざかっていくスリッパの音を聞きながら、そっと目を瞑った。

 

「はい、斉藤さん、今日は二千五百円ですねー」

 言われた通りの金額を払うと、受け付けの看護婦はあることに気づいたらしく、診察券を返しながら彼女に微笑みかけた。

「おめでとうございます。誕生日に妊娠が分かるなんて、幸先いいですねえ」

 そう言われて、彼女も初めて気がついた。一瞬驚いたが、それでもありがとうと返事をすると、そのまま病院を出る。

 病院からの帰り道、彼女は行きのときよりも深刻な面持ちで歩いていた。それは両親に説明せねばならないからと言うよりも、子どものことをまったく考えていなかった自分に恥じたためである。

 そう、彼と自分との子どもなのだ。自分とあの世界とのつながりなのだと、使命感に囚われるのも、義務感を持つのもいい。しかし、それ以上に大切なのは、彼との子であるということ。あの世界で最も彼女が愛した、あの世界で最も彼女のことを想う、彼のこと。

 その彼の血と、自分の血を受け継いだものが、自分の胎内に今も尚、ひっそりと息づいている。それがいくら図られた神秘でも、仕組まれた誕生でも、構わない。彼との子をどんな目的で利用するために産ませるとしても、最後の最後の最後まで、抗い続けよう。

 瞼の裏に浮かぶ、鮮血の瞳に淀んだ青銀の髪の男に、彼女は微笑みを浮かべながらもはっきりと声を出す。

「・・・・あなたの二の舞は作らない」

 けど、あなたが受けた愛情を、自分なりにこの小さな生き物に、精一杯に注ぐから。

 そう心の中で誓うと、彼女は気持ちを切り替えるように、大きく伸びをした。今日は、自分の誕生日だということを思い出して。

「そう…。ならケーキでも買おうかな」

 わざと明るく言って、それから彼女は歩き出す。今度は生き生きと。

 それがたとえ本心からのものではないとしても、大丈夫。元気に穏やかにしてくれる仲間たちとの思い出と、胎内に息づく生命が彼女にある限り、いずれは本物に変わっていく。

 子どもが生まれたら、自分の支えとなった仲間たちのことを話してあげよう。自分を愛してくれた男のことを語ってあげよう。自分が確かに生きていた、あの世界のことを教えてあげよう。

 それを想像すると、彼女は鼓動が楽しさで高鳴るのを感じ取る。

 自分と彼の子どもはどんな子で、仲間たちのことをどんなふうに感じ取ってくれるのだろう。あの長い長い出来事を、どんな気持ちで聞いてくれるのだろう。あの世界を、どんなふうに愛してくれるのだろう。

 もしかしたら、興味がないというかもしれない。もしかしたら、不良になるかもしれない。もしかしたら、流産してしまうかもしれない。

 しかし大丈夫、と彼女はまた自分に微笑みかける。

 心の中に皆がいる限り。彼との新しい生命がここに存在する限り。どんな困難もどんな障害も、乗り越え、回避し、潰して行こう。

 こんなにも多くの味方に恵まれた自分には、どんな敵も存在しないのだと、彼女は高らかに自らに告げる。そして、自らの子に多くの祝福を祈りながら。

 見上げた空は寒さで澄んでいて、その青さは、いつかの彼女の瞳を思い立たせた。

 

RETURN

 

 

アトガキ

 ギャー。時間ごっつい遅れたー。

 というわけでプチヘコみながらもスノーたま、たった一人のお誕生日小説&パロ小説プロローグのプロローグ。後のほうキツいのは現在二時だからです。いや言い訳はいけないよ自分。